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気をつけ姿勢の弊害

 私たち日本人は、物心がつく頃から礼儀・礼節を重んじるように躾されてきました。相手を敬う気持ちや従順であることを体現したカタチが、いわゆる気をつけ姿勢です。足を揃えた状態では、直ぐに動き出すことができません。つまり、これは服従姿勢でもあります。

 小中学校では、嫌というほど気をつけの姿勢をとらされます。
中学生のときに生徒会長を務めていたのですが、入学式や卒業式のリハーサルのときに、頭を少し動かしただけでも、体育教師から怒鳴られたり、ひっぱたかれたりしていました。完全な軍隊方式です。

 散々、堅苦しい思いをさせられましたが、日本特有の精神文化に対しては好意を思っています。
世界広しと言えども、日本人ほど謙虚でちゃんとしている国民は稀有です。

 この頃では、古来から継承されてきた精神性が、ズルズルと崩れつつありますが、日本人が日本人らしくあるために、どうか無くさないで欲しいと思います。

 一方で、気をつけ姿勢がもたらす体への悪影響について、ここで触れておきたいと思います。あまり語られることがないので。
私見の域を越えませんが、先進国のなかで日本人に肩こりや腰痛が多いのは、子供の頃から足を揃えて直立で立ったり、座ったりすることが、大きく影響していると考えています。

つまり、学校で習った良い姿勢と、体にとっての良い姿勢は、別物だということです。

 足を揃えてしまうと、体を支える面積が極端に小さくなるため、脳は体をかためて動きを抑えようとします。
実際に、足を閉じただけで膝が伸びきり、腰から首にかけての筋肉が緊張してかたくなります。
 体のどこかしらに問題を抱えている人は、例外なくスタンスが狭く、足を揃えてしまう癖があります。

試しに、足を揃えた状態で、両肩をすぼめて耳に近づけて下さい。
次に、足を腰幅に開いてから、同じように両肩をすぼめます。
どうでしょう?足を揃えると、肩が動かなくなってしまい、足幅を広くすると肩が動かしやすくなるのを実感するはずです。

気をつけ姿勢に象徴される胸を張った「優等生姿勢」は、骨盤が前傾して腰の筋肉が短縮するため、腰部の血行が減少して筋筋膜性の腰痛を起こします。

 また、腹部の筋肉が強制的に伸ばされた状態でかたまるため、腹腔の内圧を十分に高めることができず、腹部ー腰部が緩んでしまいます。いわば、コアがグニュグニュに緩んだ不安定になった状態です。
 腹部の筋肉が伸ばされた状態で屈んだり、物を持ち上げたりすると、ギックリ腰の発症リスクが跳ね上がります。
 
 肩を引いて胸を張った姿勢(優等生姿勢・軍人姿勢)は、下部胸郭が拡張して横隔膜が引っ張られた状態になります。
このままでは、呼吸の主働筋である横隔膜が伸縮することができず、その代償として、脳は上胸部 に空気を送って息を吸おうとします。

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◉つま先を揃えて過ごした後の胸郭

 この横隔膜を使わない上胸部 による呼吸では、息を吸うたびに頚肩部と腰部の筋肉に酷使されるため、慢性的な肩こりと腰痛を引き起こします。

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◉理想的なスタンスで呼吸をした後の胸郭

 では、どんなスタンスで立ったり、座ったりすれば良いのか、長くなってしまうので、次回に画像付きでお伝えします。
それまでは、足幅を広くするか、前後に開いて過ごすように心がけてみて下さい。

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腰痛を引き起こす腹筋運動

その昔、サッカーの現役選手だった頃、度重なるギックリ腰と慢性腰痛で、たくさんの医者や治療家のお世話になりました。

ヴェルディには、東大の著名なDr.たちが出入りされていました。腰痛の相談をすると「腹筋が弱いから、もっと鍛えてなさい」、「腹筋と背筋のバランスが悪いからだ」と指摘されたものです。

腹筋運動なんて、一度もやったことがなさそうな腹をしている医師に言われても、内心「いやいや、そんな単純な話じゃないだろ」と思っていました。

今思えば、やはり彼らの指摘は間違っています。
腹筋運動で腹をカチカチにしても、腰痛の予防・改善にはなりません。
当時は、IAP=腹腔内圧の重要性や扱い方を理解している医者やトレーナーは、ほとんどいませんでした。
だから、闇雲に腹筋と背筋を鍛えて、自ら症状を悪化させていたのです。

アメリカ国立労働安全衛生研究所 (NIOSH)は腰椎の圧縮力限界値 を3300N = 336kgに設定しています。
この数値を超える負荷が腰椎にかかった場合、椎間板や靭帯を痛めて、腰痛を発症するリスクが高まります。
しかし、従来の腹筋運動(シットアップ)で腰部にかかる負荷は約3350N=341Kgと、限界値を超えてしまい腰痛の発症が高まります。

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アメリカの軍隊では、シットアップとクランチは腰痛の発症リスクを高めるため、トレーニングプログラムから除外されています。

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6パックを形成している腹直筋は、脇腹の腹斜筋に比べてコアの安定性や支持力の向上に関与しておらず、鍛えるメリットは見栄えが良くなることくらいです。
腰痛のリスクを高めてまで、腹直筋の筋肥大にこだわるのか、それは本人の価値観と判断によりますが、事実はそういうことです。

腰痛持ちと分かっていながら、シットアップやクランチをやらせるトレーナーがいたら、そのトレーナーは勉強不足と言われても仕方ありません。

そもそも、腹筋だけが独立して収縮することなど、現実世界では殆どありません。
足の裏が床についていない体勢で、どれだけ腹筋を鍛えても、立っているときや動作しているときに、それを活かせるか否かは、別の問題なのです。

どうしても腹筋だけを単独で鍛えたい人は、スチュワート・マックギル博士が考案した片脚の膝を曲げて、上体を繰り返し起こす、下記のエクササイズを勧めます。この方法ならば、椎間板へのストレスを最小限に抑えられます。

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片膝を曲げ、脚を伸ばしている側の腰の下に手を入れる。アゴを引いてヘソを見る意識を保ちながら、床から肩の背面が浮くところまで上体を起こす。
上体を起こすときに息を吐き、腰に敷かれている手を床に押し付けるようにする。

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フォームが保てなくなったら、しばらく休暇してから、反対も同様に行う。

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女性自身連載 最終回

女性自身の連載は、これで最終回です。

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女性自身 腰痛改善テクニック連載

1回目と2回目でご紹介した「ロックバック」と「膝立ちヒップヒンジ」を、実生活で活かすためのまとめになります。

少なくとも、このテクニックを実践していれば、ギックリ腰にはなりませんし、屈んだ時に腰にピリッとくる怖さもなくなるはずです。是非、ご参照下さい。

実践的な屈み+持ち上げ動作

実践的な屈み+持ち上げ動作

どんなスポーツにも、効率の良い最適なフォームがあります。日常の生活動作にも、当然あります。
実生活では使えない「エクササイズのためのエクササイズ」は、極力やらないようにしています。

屈む時に、片手を必ず膝の上につくことで、上体の重さを支え、過度な傾きを回避する。腕を支え棒として多用することは、腰を保護するうえで、とても大事なこと。
バランスを崩しやすいシニアには、この癖づけを徹底しています。

この紙袋の中には、3kgのkettlebellが入っています。kettlebellよりも、紙袋にすることでリアリティが高まり、動作学習と日常の結びつきが強くなります。

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女性自身連載 第2弾

第2弾です。

女性自身連載第2弾

今回は、ロックバックというエクササイズを紹介しています。
屈んだり、しゃがんだりする動作が、最も腰部に負担をかけるのですが、重量挙げのように、出っ尻(ヒップヒンジ)で、腰の反りをキープしたままの体勢で行えば、腰を傷めるリスクは大幅に減ります。

ロックバックは、理想的なヒップヒンジを行うための準備と言えます。

第3弾では、ロックバックを活かした「腰を痛めない屈み方、持ち上げ方」を御紹介致します。

坐骨神経痛の一例

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 私の腰痛と、症状が酷似している61歳のクライアントさんの画像。

 左臀部から脛にかけて、強い痛みと痺れがあります。
骨盤を中心に戻そうとすると、椎間板ヘルニアによる典型的な坐骨神経痛の症状が誘発されます。
 
痛みで筋肉が硬直して血流が滞り、筋の内圧が上昇し、ふくらはぎと大腿、大殿筋がパンパンに張っていました。
  これが人の体か?という硬さです。坐骨神経痛は、立ち上がると発症し、座ると緩和します。歩き続けることが困難で、ときどきガードレールに寄り掛かって休まざるを得ません。
  重度の坐骨神経痛の辛さ、経験した人にしか理解できないでしょう。
 多くの治療家やトレーナーが、腰痛症の治し方について語っていますが、眠れない、座っていられない程の苦痛は、幾ら勉強しても体験しないことには、核心は語れないでしょう。(腰痛経験者でなければ、腰痛を改善できないと言っているわけではありません)

 昨年末、エジプト行きを断念する羽目になった坐骨神経痛のお陰で、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛に対する理解が、より一層深まりました。
 玄関から這うようにして患者さんが入って来ても、今では全く動揺することはありません。
過去の経験を通して、何をすべきで、何をすべきでないか、頭の中で直ぐに戦略が立てられるからです。

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  今回、この症例を挙げたのは、典型的なヘルニアによる神経症状と思いきや、MRIの画像所見には、全く異常が認められなかったケースだからです。
 関節や骨、椎間板などの変形が認められても、全く痛みが発現しないケースもあれば、彼のように構造的な問題がなくても、苦痛で上体が曲がってしまう人も大勢いるのです。

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 だからと言って、NHKスペシャル 腰痛・治療革命〜見えてきた痛みのメカニズムのように、「腰痛の原因は脳にあり!」という考え方に対しては、私は少々否定的な考えをもっています。

毎日12時間、患者さんの体に触れていると、画像診断機器には描出できない、僅かな組織の違いや異常を触知できるからです。(鮨を握る感覚とセンスに近い特殊な感覚)

あの放送があってから、どれだけ多くの方から、「腰痛って、脳に原因があるんですか?」と、尋ねられたことか。
あらゆる手段を尽くした後で、どうしても痛みが改善しない場合に、脳内の鎮痛抑制機構が正常に機能しているのかを語るのであれば理解できますが。

「 画像所見で異常がない→本人が痛みを訴えている→脳内で架空の痛みを作り出している」
自動的にそう考えるのは、触診(センスと経験が重要)や機能的な検査を行わない専門家か、机上の理屈で解決しようとしている人です。

あの番組は、少なからず腰痛患者に誤った印象を与えてしまったのではないかと思います。

私が日々対面しているのは、写真に写らない痛みや機能障害ですが、研ぎ澄まされた手の感覚と、蓄積された経験の組み合わせは、どんなに精密な機械をもってしても敵わないと思っています。

そういう手の感覚とセンスに出会うのは、なかなか簡単なことではありませんが、根気よく探し求めていれば、いつかチャンスはやってくるはず。

尻や脛の痺れがある場合、L4〜S1の椎間板ヘルニアを 疑うのが通例ですが、Th12〜L3に形成されたtrigger pointが坐骨神経痛の原因となっている場合が、少なくありません。

テキストや教科書には載っていませんが、実際に、この部位(腰腸肋筋、胸最長筋、腰方形筋 外側縁のTP)のtrigger pointを圧迫すると、仙骨外縁と腓骨部が痙攣します。

 trigger pointを完全に消失させることは不可能ですが、ある程度散らすことができれば、重度の坐骨神経痛であっても大幅に改善します。

上の画像を見る限りでは、1回のセッションで状態は好転しましたが、次に会ったときに維持できている保証はありません。 ヒトの体を治すことは、本人の行動変容が伴わない限り、本当に難しいことです。

玄関で患者さんを見送るとき、アドバイスをした事を実践して、少しでも改善して戻ってきてくれることを願っています。

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雑誌 女性自身 予約が取れない人気ゴッドハンドが教える”誰でもできる健康法 簡単裏ワザ

 本日、雑誌 女性自身のweb上で、「予約が取れない人気ゴッドハンドが教える”誰でもできる健康法 簡単裏ワザ」というコーナーに記事が掲載されました。3回の連載で、腰痛のセルフケアと、腰を傷めない股関節の使い方にスポットを当てています。

女性自身 予約が取れないゴッドハンドの健康法&裏ワザ

これまでは、どんなメディアであれ紹介されるときに「カリスマ」や「ゴッドハンド」といった、胡散臭い冠を付けられることを拒否してきました。
如何にも胡散臭くて安っぽいし、はばったいから。
本企画に限っては、「読者に有益な情報を発信する」という主旨がしっかりとしていて、ブレていなかったので、オファーを受諾しました。
腰痛の根治は、受け身だけでは不十分です。
 
 腰に持続的かつ過大なストレスを与えている不良な姿勢と、誤った動作パターンを改善しない限り、根治と再発リスクを0に近づけることはできないのです。
殆どの慢性の腰痛患者は、1日の大半を腰を丸めて過ごしています。座っているときも、屈んで用事をするときも、物を持ち上げるときも…。
この腰部を支点にした動作パターンを、出来るだけ早期に見直して、背骨のS字を維持したまま、出っ尻で屈む「ヒップヒンジ」を、脳に刷り込む必要があります。

 逆に言えば、ヒップヒンジをマスターして、生活動作に組み込めたら、少なくともギックリ腰には二度となりません。

 今回の企画では、ヒップヒンジのやり方から始まり、腰に負担を集中させない座り方、椅子から安全に立ち上がる方法など、日常生活で直ぐに活かせる事だけに絞って紹介しています。
予防医学的な意味も含めて、腰痛の自覚症状がない方にもオススメです。

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呼吸と姿勢と痛み

呼吸への介入で自律神経の働きが変わります。
副交感神経にスイッチが入ると、脳の働きが変わり、自然と姿勢が整います。

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介入前の呼吸


介入後の呼吸

今までアレコレやっても前のめりの姿勢と、首や肩凝り、腰痛が改善しなかった人たちが、呼吸のエクササイズでコロッと変わる様子を、毎セッション後に見ています。

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主に上部胸郭で呼吸していた人が、横隔膜を使った呼吸に変わったとき、体の背面の筋緊張が緩和して、寛骨の過度な前傾と腰椎の前弯が改善されます。
そして、股関節や肩関節の可動域も大幅に改善します。

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先ずは呼吸から。
呼吸が変われば姿勢が変わる。
姿勢が変わると機能と痛みが変わる。

この先に拡がる可能性を強く感じるこの頃。
これからも精進致します🙇🏻

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ハムストリングスの重要性

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スクワットで上体が過度に前傾してしまう人が大勢います。前脛骨筋や広背筋のタイトネスの改善に取り組むよりも、ハムストリングを収縮させて、少し骨盤を後傾位に保つことを身につけてもらえば、誰でも見事なフォームでしゃがめるようになります。

スクワットで腰を痛めてしまう人は、下腹部と脇腹を膨らませて硬くするブレーシングが出来ていないか、動作中にハムストリングスを働かせていない可能性が大です。
自重のみでしゃがめない人が、バーバルを担いでスクワットをするのはナンセンスであり、自ら腰痛になっているようなものです。

日常生活においてもハムストリングスを働かせて、骨盤を少し後傾すること+踵に荷重することの重要性は、いくら強調してもし過ぎることはないでしょう。

20170303-Jornal Nikkey Shimbun p6 Samurai 20

サムライの姿勢 最終回「腰痛持ちの賢い暮らし方」

 サムライの姿勢は最終回を迎えます。おかげさまで、最後までやり終えられたことを読者の皆様と、ニッケイ新聞の方々に感謝申し上げます。
 
 さて、本話では腰痛を発症させないセルフケアについてお話します。
最近では、筋膜を緩める健康グッズが通信販売などで手軽に購入できるようになりました。アイテムを購入しなくても、テニスボールやソフトボールで代用することもできます。
 
 前号で下半身のコンディショニングの重要性についてお伝えしましたが、アプローチする順番も大事で、マッサージの効果に影響があります。
股関節の動きを維持して、腰への負担を減らすために、スネ→ふくらはぎ(主に外側)→お尻の外側→仙骨の順でほぐしていきます。

【腰痛の発症を予防するセルフマッサージ】

① スネとふくらはぎ

 加齢とともに脛の前の筋肉の機能が衰えます。つまずきやすくなったり、深くしゃがめなくなったりするのは、スネの筋肉が硬くなっているサインです。
 スネの筋肉の機能は、足関節とひざ関節の機能だけでなく、股関節の可動性にも大きな影響を与えます。仰向けで寝ると腰が反って痛みが出る場合は、スネの筋肉をほぐすと改善されるはずです。
 ふくらはぎの外側には、太い神経が走っているため、この部分が硬くなると痺れや感覚の異常が起きやすくなります。
 画像のように、スネとふくらはぎの外側の疲労と強張りを、定期的にマッサージすることによって、脚全体のコンディションが改善されて、坐骨神経痛の改善・予防に繋がるでしょう。

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② 太ももの付け根と尻の外側

 太ももの付け根と尻の外側が凝ると、股関節の機能とスネに鈍痛を放散させます。普通に暮らしていても、この部位には疲労が蓄積しやすく、気づかないうちに凝っています。膝を胸に引き寄せた時に、太ももの付け根が引っかかるような感じがしたら要注意です。
 ここをマッサージ&ストレッチすれば、足先への血流が改善されるだけでなく、膝を胸に引き上げたり、股関節を回したりする動きが大変楽になります。

③ 仙骨

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写真3=仙骨をほぐすマッサージの様子

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写真4=梨状筋をほぐしている様子

 仙骨は体の屋台骨として、背骨を支える重要な骨です。仙骨に付着している筋膜と深部の筋肉が強張ると、屈んだときやしゃがんだときに腰にピリッとした痛みが生じるため、椅子から立ち上がる動作もぎこちなくなります。この部分をボールでほぐせば、右記の動作だけでなく歩き易さが格段に向上します。
 もう一つ、仙骨の脇も大事です。この部位には、坐骨神経の上を通る「梨状筋(りじょうきん)」という筋肉があって、この筋肉が緊張すると坐骨神経をダイレクトに締め付けて、お尻から踵まで広範囲に痛みや感覚異常が生じます。
 多くの場合、脚を組んでいる側の梨状筋が短縮する傾向にあって、坐骨神経痛が発生しやすいと言えます。足がぼんやりと痺れている人や、屈む動作に不安がある方は、是非ともこの部分を入念にほぐしてみて下さい。

【マッサージのコツ】

 ボールマッサージのコツは、少しずつボールが当たっている場所をずらして、ズーンと響く場所を探すことです。響くところにトリガーポイントと呼ばれるシコリが隠れていて、そこが痛みの震源地なのです。
 思わず「ああ! そこだ!」「そこそこ!」と言ってしまう部位が見つかったら、そこを15秒から20秒間圧迫して下さい。2〜3回繰り返すと、強い痛みから心地よい痛みへと変わっていくはずです。圧迫する強さは、10をマックスとしたときに、7を超えないように調整します。
 セルフマッサージは、歯磨きと同じで一生続けていくものです。面倒に思う方もいらっしゃるかも知れませんが、やった分の恩恵は確実に得られるので、日々のルーティンワークに取り入れて頂ければと思います。
 それでは皆さん、またお会いしましょう。

 伊藤和磨 拝