サムライ姿勢第16話「腰痛持ちの賢い生き方」その1

今回から3話連続で「腰痛持ちの賢い暮らし方」と題して、腰痛症に関するコアなお話をします。

腰痛を拗らせてサッカー選手を引退し、その後、腰痛改善に軸足をおいたトレーナーとして、16年間で延べ30000回を越すセッションを行ってきました。

「腰痛はアタマで治す」「腰痛を治すカラダの使い方」「ぎっくり腰は尻で治す」 14冊の著書のうち、腰痛症をメインテーマにした書籍は3冊あります。
書籍は国内だけでなく、アジア6カ国でも翻訳されているため、海外から足を運んでくる患者さんもいます。

「 腰痛患者の砦となり、日本から腰痛をなくす」というスローガンの元で、休まず突っ走って自分が、昨年二度も重度の坐骨神経痛を患いました。
9月と11月に発症。2度目は20mすら歩けないほどの激痛で、夜もほとんど眠れない状態が2週間続きました。

一年前から予定していたエジプト行きをキャンセルするはめになり、強烈な痛みに悶絶しながら患者さんの腰痛をケアするという滑稽な状況の中で、いくつか大事な大事なことに気づかされました。

手術の日程が決まっている患者さんを、メスを入れずに快復させるのが私の役目であり、16年の間に手術台にあがった人は、318人中1人です。
それ以外の人たちは、支障がない範囲に痛みをコントロールして今日も好きなゴルフやレジャーに没頭されています。

「君のお陰で、これからの人生を無駄にせずにすんだ」「まさか本当に治ると思わなかった。ありがとう」「もう、全部がどうでもよくなって諦めていたのに、腰痛のことを考えずに生活できるなんて、今でも信じられない」

こういった感想を頻繁に耳にするのですが、腰痛を改善するのが私の仕事なので、タクシーの運転手が道を間違えずに行き先へ到着するのと同じくらい、「当たり前の事」になっていましたが、それも考え直しました。

他人の腰痛は改善出来るのに、なぜ自分がこんな事になるのか。
「紺屋の白袴」「ミイラ取りがミイラだね」
周囲の人たちから散々揶揄われましたが、それでもこの経験から学んだことは非常に大きく、今後の腰痛治療に活かせるものとなりました。

ニッケイ新聞用に書いた記事なので、近々書き直して、腰痛に悩む方々のお役に立てる内容にブラッシュアップしたいと思います。