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サムライの姿勢 第7話 賢い歩き方

今回のテーマは、「体を痛めない賢い歩き方」

腰痛やひざ痛に悩む人の数が増え続けるのは、姿勢や動作パアーンが「猿人以下」になりつつある現代人への警鐘です。

猿人に逆戻りする現代人

 人類は、長い年月をかけて直立二足歩行を獲得しましたが、現代人の歩き方は猫背になっていて、再び猿人に逆戻りしつつあります。
 しかしながら、二足歩行は非常に複雑なメカニズムによって達成されているため、脚の一部に機能的な問題があったり、「いい加減な歩き方」をしていたりすると、途端にフォームが崩れてしまうのです。

 座りっぱなしの生活を送っている現代人は、年を重ねるほどに、子供の頃にできていた自然な動作が出来なくなっているのですが、特に歩き方の「質」が顕著に低下しています。
街で歩いている人たちを観察すると、理想的なフォームで歩いている人が滅多におらず、頭が垂れ下がったトボトボ歩きになっています。
 
 近年では、背中が「くの字」に丸まって歩くお年寄りを見かけなくなりましたが、反対に、老人のように歩く若者が急増しています。歩行の「土台」となる「姿勢」が悪い事と、「賢い歩き方」を教わっていない事が原因です。

歩き方でわかること

 歩き方には、その人の性格から体調、気分、教養、品性まで、様々なことが反映されます。「賢い人は、賢い歩き方をしている」と言っても過言ではないでしょう。歩き方だけで、見られ方と印象が大きく変わってしまうのです。
 歩くフォームの良し悪しは、見た目の問題だけでなく、悪いと膝痛や腰痛を悪化させる原因になります。膝痛や腰痛を患っている人たちの歩き方には、4つの共通点があります。

① 前のめりでヘソより頭が先に出ている
② 視線が下がっている
③ 手を振らない
④ 小股。とくに①と③は要注意です。
 
 これら4つの事を意識しながら歩くだけで、歩行フォームが改善されて、気分と体調が上向きになるのです。
私が診てきた患者さんたちも、視線を水平に保ち、腕を大きく振って歩くように心掛けただけで、慢性の腰痛が飛躍的に改善した例が沢山あります。

乳幼児とアフリカの女性がお手本

 歩き方のお手本は、乳幼児とアフリカの女性です。乳幼児が歩く姿を観察すると、背筋が真っ直ぐに伸びていて、頭部が上半身の真上に位置しているのが分かります。そして、歩いている時も決して前のめりになったり、猫背になったりはしません。大人と比べて身体能力は低くても、コア(腹部)がしっかりと働いて、体幹を安定させているからです。
 
 アフリカの女性たちが、バケツや壺を頭頂に載せて歩く姿を見ても、乳幼児と同様の姿勢で歩いています。彼女たちのように、大人になっても子供の頃の動作パターンを保っている人種は、極めて稀です。「アフリカに腰痛はない」という話にもうなずけます。

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賢い歩き方には沢山のメリット

 長い年月をかけて身についた歩き方の癖を変えるには、少々時間と忍耐を要しますが、効率的な歩行フォーム=賢い歩き方は、「見た目年齢」を大幅に下げて、若々しい印象を醸し出します。胸を拡げて堂々と歩く姿をみれば、誰が見ても自信があるように映るはずです。
 
 そして、賢い歩き方は疲労を最小限におさえて、膝痛、腰痛を遠ざけてくれます。歩くスピードと安定感も明らかに増すので、是非とも、以下のポイントを意識しながら歩いてみて下さい。

1. ヘソを前に押し出すイメージで歩く(上体が起きる)
2. 軽くアゴを引いて視線を真正面に固定する(背筋が伸びて体幹が安定する)
3. 踵から接地するようなイメージで歩く(歩幅が大きくなる)
4. 腕を大きく振って大らかに歩く(下半身と上半身の過度なねじれを防ぐ)
5. 頭に本を載せているイメージで歩く(頭が上半身の真上に位置する)