床座による猫背と胸郭の強張り その3

床座による猫背と胸郭の強張りを防ぐ

 今回は、床座習慣によって猫背が定着し、胸椎が固まってしまうことを防ぐストレッチをご紹介します。

加齢や猫背姿勢によって、胸椎の椎間関節と肋椎関節に拘縮が起きて、上体を反らせなくなってしまう人が大勢います。

 胸郭は鳥かごに似た形状をしているので、全く可動性がないと思われている方も多いようですが、実際には、呼吸や運動時に拡張と収縮を繰り返しています。
猫背姿勢で胸椎の可動性が失われると呼吸が浅くなるだけでなく、上肢の動きと首の動きが著しく制限されて、慢性的な首肩のこり、四十肩、五十肩の原因になります。

 背中が丸まっていたのでは、肩甲骨と肩関節が本来の位置から逸脱して、正常な動きができなくなります。
肩の痛みや機能低下を根本から改善させるためにも、先ず胸椎の伸展(上体を起こす動き)を再獲得することが不可欠です。

胸椎の可動性を改善するスフィンクス

胸椎の可動性を回復・維持するためお勧めしたいのが、スフィンクスというストレッチです。
スフィンクスは、文字通りエジプトのスフィンクスと同じ格好をするだけのシンプルなストレッチです。
場所をとらないので、避難所や一人暮らしの限られたスペースでも行えます。

やり方

スフィンクス2

正座して両手を膝の両側につきます。(床が硬い場合は、タオルや座布団を敷く)あごを少し引いて背中を丸めます。

スフィンクス

 口で息を吐きながら、背中を反らします。
胃のあたりを前に突き出すイメージで行うと良いでしょう。腰を反らせるのではなく、背中を反らせる意識が重要です。
背中を丸めたり反らしたりする動作を10回ゆっくりと繰り返します。

デスクワーク中にもできる

スフィンクスは、デスクワークの合間にもできます。やり方は、同じ要領です。
前腕で机を押しながら背中を反らすと、やりやすいでしょう。

スフィンクス椅子2

スフィンクス椅子1

 現代人の生活は、猫背になる宿命にありますが、このストレッチをルーティンワークに取り込めば予防・改善が期待できます。
是非、お試しください。